2021年11月23日
母が長い闘病生活のなかで先日、亡くなりました。母の遺産は枚方信用金庫に預けていた父の退職金と年金の入金口座となっていたゆうちょ銀行と京阪守口駅近くにある実家の不動産です。
実家の不動産は土地だけ、既に亡くなった父の兄のものらしいのですが、父の兄とは20年以上、連絡をしておらず、父と母とがどういう話にしていたのかはわかっていません。
すぐそばには弟が住んでいて、子供がたくさんいるので、実家を相続できるならと言っています。私自身は、埼玉に住んでいて、実家は弟が相続するなりすればよいとは思っています。
相続する人は弟と私以外いないのかなと思っていますが、父の兄がどういう立ち位置になるのかわかっていません。財産で弟と揉めることはないと思っているので、自分で相続手続きはしてしまいたいと思っていますが可能でしょうか?
相続手続きを自分ですることは可能。
お母様が長い闘病生活の中で亡くなられたとのこと、お悔やみ申し上げます。
さて、相続手続きをご自身で対応することは十分に可能です。
必要な作業をかいつまんで言いますと、戸籍収集、財産調査、相続人の確定、遺産分割協議書の作成という流れになります。これに加えて、不動産や預貯金の合計が多いと、相続税の手続きも必要になってきます。
また、今回ご相談いただいている内容での特殊事情で言いますと、お父様のお兄様が土地を所有されている可能性があるとのことですが、こちらは不動産登記などを確認いただければ、ある程度、状況はわかるかと思います。
ただ、戸籍収集、財産調査などもそうですが、かなり手間のかかる作業になっていますし、漏れがあると相続税で問題が生じたりもしますので、一度、専門家にご相談いただいて、具体的な作業や手続きの流れをご確認いただき、ご自身で対応可能な部分と専門家に任せた方が、早かったり、正確だったりする部分がないかをご確認いただければと思います。
2021年11月13日
Q:司法書士の先生に質問です。相続財産について話し合いが済んでいても、遺産分割協議書は作るべきでしょうか(京都)
司法書士の先生、はじめまして。私は京都で夫と二人暮らしをしている50代の主婦です。
先日、同じ京都市内で一人暮らしをしていた父が急死しました。半月前に顔を合わせたときは元気だっただけにショックは大きかったですが、何とか京都市内の葬儀場で葬式を済ませることができました。
父にはたいした財産もなく遺言書を残している形跡もなかったため、遺品整理を済ませた後、相続人となる兄と私とで財産について話し合いました。
とくに揉めることもなく話し合いは済みましたが、気になるのが遺産分割協議書の存在です。
今後揉めるようなことがない場合でも遺産分割協議書は作るべきでしょうか?(京都)
A:遺産分割協議書を作成しておくと、今後の相続手続きがスムーズになります。
遺言書が残されている場合はその内容に沿って相続手続きを進めることになるため、遺産分割協議書を作成する必要はありません。
しかしながらご相談者様のように遺言書が残されていない場合は、今後揉めるようなことはないとしても、遺産分割協議書を作成しておくことをおすすめいたします。
相続人全員で遺産分割について話し合い、合意した内容をとりまとめて記載する遺産分割協議書は、以下のようなケースで必要になります。
- 不動産、有価証券、自動車等の名義変更または登記
- 相続税の申告
- 銀行の預貯金口座を多数所有している場合
- 相続人が複数いる場合
- 法定相続分以外の割合で相続する場合 など
相続において上記のようなケースが発生すると思われる場合は、遺産分割協議書を作成しておくことでスムーズに手続きが行えます。
遺産分割協議書はご自身で作成することもできますが、作成方法に不安のある場合や時間が取れない場合は、相続を得意とする専門家へ依頼すると良いでしょう。
人生においてそう何度も経験することではない相続手続きは、初心者の方にとっては難しく、不安に感じてしまうものです。
「たくさん事務所があって選べない」という方は、京都および京都近郊にお住まいの皆様の相続手続きを多数お手伝いしてきた京都・滋賀相続遺言相談所まで、まずはお気軽にご相談ください。
初回無料相談を行っておりますので、スタッフ一同、京都および京都近郊にお住まいの皆様からのお問い合わせを心よりお待ち申し上げます。
2021年11月11日
5年前に母を交通事故で亡くしました。遺産分割を私を含めた三人の兄弟で行ったのですが、事故対応などでバタバタしていた関係で、いくつかの不動産や現金等を分配できておらず、三人の兄弟全員で、やり直せないかと話をしています。相続をやり直すことは可能でしょうか?
A:原則、成立済の遺産分割もやり直すことは可能です。条件として相続人全員の同意が必要となります。同意を得れれば新たに協議し、再度取りまとめることができます。
また、産分割協議の際に重大な錯誤や詐欺、強迫などの問題があった場合は、合意がなくても取消を主張しやり直しを求められます。
やり直しできる条件は次のリストのとおりです。
- 相続人全員の合意があること
- 新たな財産があること
- 遺産分割協議が無効であること
- 遺産分割協議を取り消す
なお、遺産分割をやり直すと場合、次の点に気を付けてください。
- 遺産分割協議をやり直しできても、第三者は保護されること。
- 贈与税や所得税が発生すること。
- 不動産取得税、登録免許税が発生すること。
2021年11月02日
先月、母が亡くなりました。母は父から相続した京都市内にいくつか土地を持っていて、私は一人息子ですべて相続することになっていますが、不動産の相続登記はいつまでにしておかないといけないのでしょうか?
A:今のところ期限はありません。しかし、2021年4月21日に相続登記を3年以内に行わなければならないとする法律改正がなされ、2024年を目途に法律が施行される予定ですので、銀行の解約などの手続きと一緒に進めていただいた方がよいです。
なお、改正された法律が施行されると、相続登記を怠った人は罰則として、10万円以下の過料が科せられることになりますので、ご注意ください。
また、お母様が、お父様から相続された際に、相続手続きをきっちりとされておられれば良いですが、そうでない場合は、数次相続と言って手続きが複雑になりがちなので、併せてご注意ください。
2021年10月25日
先日、父が亡くなりました。私は嫁ぎ先が名古屋で、なかなか手続きのために京都の中京区にある実家まで戻ることができない状況です。父名義の銀行口座について、すぐにしなければいけない手続きはあるのでしょうか?また、そのままにしておくと困ることなどございますでしょうか?
A:口座名義人の死亡による銀行口座の手続きを怠っても罰則などはありませんが、相続手続きに支障がでることがあります。
そのままにしておくと預金を相続できない可能性があります。特に時間の経過により、関係者の事情等が変わると、手続きが難しくなってしまうこともありますので、銀行口座に関連する手続きは面倒なものですが、なるべく早い時期に済ませたほうが良いです。
亡くなられた方の銀行口座に関する手続きは一般的には次の4つになります。
- 1 銀行へ連絡
- 2 必要書類の準備
- 3 必要書類の提出
- 4 預金の払い戻し
上記の手続きに必要な書類などは、金融機関によって様々ですが、一般的には次のとおりです。
●遺言書がある場合
- 遺言書
- 検認調書または検認済証明書(遺言書が公証役場等で保管されていた場合は不要)
- 被相続人の戸籍謄本または全部事項証明書
- その預金を相続する人(又は遺言執行者)の印鑑証明書
●遺言書がなく遺産分割協議書がある場合
- 遺産分割協議書
- 被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡までの連続したもの)
- 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
- 相続人全員の印鑑証明書
●遺言書も遺産分割協議書もない場合
- 被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡までの連続したもの)
- 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
- 相続人全員の印鑑証明書
※金融機関によっては、法定相続情報一覧図(法務局発行)の提出で戸籍提出が不要な場合もあります。
払い戻しは、手続きが問題なく進めば、2週間ほどでされます。ただし、こちらも金融機関によりますので、最終的には口座のある金融機関にご確認ください。貸金庫を利用されるなどの場合は、直接、支店に行かなければならないケースもあります。
2021年10月19日
半年前に母が亡くなり、何度となく親族が集まって相続人全員で遺産分割協議をし、協議書類が完成した後に、実家を整理していたところ、母の嫁入り道具の桐箪笥から遺言書が出てきました・・。
その遺言書は相続人全員で決めた遺産分割協議の内容とは違う内容で、どうしたらよいのか非常に困っています。(京都市伏見区)
A:遺言書の内容が有効となります。
相続人の皆様、それぞれご意見がある中、遺産分割協議をされたとのことで、たいへんだったと思います。しかし、遺言書がある場合には遺言書の内容が有効となります。つまり、遺産分割協議書の内容は無効となります。
ただし、遺産分割協議の内容で、遺言書が発見された後も、相続人全員が同意している場合は、遺産分割協議の分割内容で進める事ができます。
相続人のうち一人でも、遺言書の内容でとおっしゃった場合は、遺言書の内容で遺産分割をしなければなりません。
2021年10月15日
先日、母が亡くなりました。遺産として、北白川の実家と預貯金があります。相続税などの金額はどうやって計算すればよいでしょうか?
相続税には基礎控除額というものがあります。基礎控除額はご相続される方の人数等で変動しますので注意が必要です。
お母様が亡くなられたとのこと。ご心痛お察し申し上げます。京都市の北白川の不動産となるとそれなりの価値となりますが、ここでは一般的な相続税の計算方法をご案内いたします。
1 相続人の課税金額の計算
最初に、財産を取得した人ごとの金額は次のように計算します。
①+②-③+④-⑤=⑥
⑥+⑦=⑧
①【相続または遺贈により取得した財産の価額】
②【みなし相続等により取得した財産の価額】
③非課税財産の価額
④相続時精算課税にかかる贈与財産の価額
⑤債務および葬式費用の額
⑥純資産価額
⑦相続開始前3年以内の贈与財産の価額
⑧相続人の課税価格
2 相続税の総額の計算
次に相続税の総額の計算方法です。
【1】相続人の課税価格を合計して、課税価格の合計額を算出する。
【2】課税価格の合計額から<基礎控除額>を差し引いて、課税される遺産の総額を算出する。
<基礎控除額> 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
■課税価格の合計額 - 基礎控除額= 課税遺産総額
3 各人ごとの相続税額の計算
課税遺産総額を、取得した財産の課税価格に応じて割り振り、税額を算出します。
■課税遺産総額 × 課税価格 ÷ 課税価格の合計額 = 各相続人等の税額
4 各人の納付税額の計算
各相続人等の税額から各種の税額控除額を差し引いた残りの額が納付税額です。
なお、被相続人の配偶者、父母、子供以外の場合、税額控除を差し引く前の相続税額にその20%相当額を加算した後、税額控除額を差し引くことになりますので注意ください。
なお、子が被相続人の死亡以前に死亡しているときの孫は、相続税額にその20%相当額を加算する必要はありません。しかし、子が被相続人の死亡以前に死亡していない場合で、被相続人の養子である孫の場合は加算します。
各種の税額控除等は次の順序で計算します。
[1]各相続人等の税額
[2]相続税額の2割加算
[3]暦年課税分の贈与税控除
[4]配偶者の税額軽減
[5]未成年者控除
[6]障害者控除
[7]相次相続控除
[8]外国税額控除
[9]各相続人等の控除後の税額(赤字の場合は0)
[10]各相続人等の控除後の税額
[11]相続時精算課税分の贈与税相当額(外国税額控除前の税額)
[12]医療法人持ち分税額控除額
[13]各相続人等の納付すべき税額
■[1]+[2]-[3]-[4]-[5]-[6]-[7]-[8]-[9]=[10]
■[10]-[11]-[12]=[13]
なお、各相続人等の納付すべき税額が赤字の場合は次のとおりです。
■「赤字となった金額」-「相続時精算課税の贈与税の計算をする際、控除した外国税額」=「還付を受けることができる金額」
2021年10月04日
父が先日亡くなり、母と子の3人で相続手続きを進めていました。尼崎市にある実家の登記や税金の支払いなどで母と兄弟が毎週集まって相談していたのですが、そのうち末っ子の妹が突然、亡くなってしまいました。
この場合、どのように手続きを進めればよいでしょうか?
亡くなった妹さんの相続人を交えて再度、遺産分割協議を行う必要があります。
ご親族が相次いで亡くなられたようで、ご心痛お察し申し上げます。
手続きですが、すべてが無駄に終わるわけではありません。まずは亡くなられた妹様のご相続人様を特定し、遺産分割協議を再開していただければ問題ありません。
もちろん、まとまりかけていた話などがあるかと思いますが、その点は妹様のご相続人とよくお話しいただいて進めていただければよいかと思います。
通常の手続きも複雑で手探りで進めておられたことと思います。途中で相続人の方が亡くなられるケースは、なかなかあることではありませんので、一度、専門家にお会いになってご相談されても良いかと思います。
2021年09月17日
父は昨年、母に先立たれ、後を追うように先日亡くなりました。私は一人娘で、父の遺産を相続することになり、少し調べたのですが、父の遺産は不動産と少しの現預金だけで、不動産から生じる相続税がかなりかなりの高額になることがわかりました。曾祖父の代からの家で、私や私の子どもの思い出が詰まった不動産ではあり、相続したいのですが、相続税を納めることが難しそうです。こういった場合、なにかいい方法はありますか?
先ず相続税がどのくらいかを把握しましょう!
被相続人(お父様)の遺産の不動産割合が高い場合、ご相談いただいた方のように、相続税の支払いが非常に難しい状況になる場合があります。
先ず実際の相続税を正確に把握されることをおすすめします。
不動産は一物四価といって、次の4種類の公的土地評価が存在し、さらに実際の売買の価格を加えて一物五価とも言います。
- 国土交通省が公表する公示価格
- 都道府県が公表する基準価格
- 国税庁が公表する路線価
- 総務省が公表する固定資産税評価額
この価格の違いで、誤解が生じることがあります。
相続税を計算する際は国税庁が公表する路線価を用いますので、この金額を先ず確認し、その相続税を支払えるのか、支払えないのか?をご確認ください。
もし支払えないということになっても、一定の要件で分割して相続税を納めることが認められることもあります。これを延納と言います。
その期間は原則5年、最高20年となっています。なお、延納には利子税が生じますので注意が必要です。
延納も難しいという場合は、「モノ」を納める方法があります。物納できる相続財産は種類が決まっていて、条件もあり、優先順位もあります。
-
優先順位 |
財産の種類 |
1位 |
国債・地方債・不動産・船舶 |
2位 |
社債・株式・証券投資信託又は貸付信託の受益証券 |
3位 |
動産 |
上記の1から3を所有していると、優先順位が高い1位のものから物納することになり、この物納にも利子税が生じる場合もありますので注意が必要です。
相続税は、その計算など、基本的なところを間違うと、実際の支払額と大きな差が生じることもあります。少なくとも一度は税理士にご相談されることをおすすめいたします。
2021年09月17日
先日、博多に住む母親が亡くなりました。離れて住んでいたこともあり、財産がどこにどれだけあるのかがよくわかっておりません。どうすればよいでしょうか?
行政書士の先生に質問です。京都市の西京区の桂坂に住む50代の主婦です。
先日、地元の博多で一人で住んでいた母親を亡くしました。私は一人娘で、今年の8月のお盆ではiPhoneを使って初孫の顔を見せると大喜びしていたのですが、今月に入って、突然、かかりつけの病院の待合で倒れてそのままとのことでした。地元にいる親戚に頼って何とかお葬式まではできたのですが、母親の財産がどこにあるのか、財産があるのかないのかも分からない状態です。
何か調べる方法などあるのでしょうか?
何事も完璧にとはいかないですが、調べることで財産を把握することができます。相続の財産調査には有るのか無いのか?(有無の調査)とどれだけあるのか?(評価の調査)の二段階があります。
相続の財産には、プラスの財産とマイナスの財産があり、まず相続する財産が全体でプラスになるかを調査しないといけません。調査せずに目の前の財産だけを相続すると、あとからマイナスの財産が出てきた場合、たいへんなことになるかもしれません。
相続する財産の種類に関しては、国税庁のホームページに丁寧な表がありますので、参考になります。
国税庁の相続財産の種類一覧
具体的な手順ですが、次のような流れが一般的です。
預金通帳があればその内容を調査します。預金通帳には、保険の引き落としや投資口座からの入金などなど、お金の流れを把握することができます。次に郵便物の調査です。銀行や固定資産税の支払いをしていれば不動産の管轄自治体を調べることができます。固定資産税通知書には、土地の地番や建物の家屋番号まで記載されていますので、法務局で登記簿謄本を取得することができます。
次に問い合わせ作業です。
一般的に相続財産の調査に必要となるものとして、次をご準備いただき、各金融機関等に問い合わせしていきます。問い合わせ方法は金融機関によって様々ですので、先ずは電話やホームページなどで一つ一つ確認していきます。
- 被相続人の死亡を証する戸籍謄本、
- 請求者が相続人であることを証する戸籍謄本
- 相続財産(遺産)の資料がわかるもの(通帳や手紙など)
- その他本人確認資料
-
他にも不動産などはその評価額を確認していきます。
一例となりますが、アパートなどの賃貸用の建物であれば「固定資産税評価額-固定資産税評価額×借家権割合(30%)×賃貸割合」が相続税評価額となります。
このように調査一つ一つがそれなりに手間を要する作業になること、それがどれだけあるのかは知識と経験が無いとなかなか完璧にはできないかもしれませんので、時間をかけていただく必要はあるかもしれません。
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