京都の方から遺言書についてのご相談
2020年02月13日
Q:遺言書を残せば、財産を内縁の妻に遺すことは可能ですか。(京都)
私は10年ほど前に、元妻と離婚したのですが、現在は京都で籍をいれていない内縁関係の妻と暮らしております。元妻との間には息子が1人おりますが、遠方で暮らしており、息子のことも考え、籍は入れておりません。最近、体調不良が続いたこともあり、相続について考えるようになりました。自身で相続について調べたところ、内縁関係の妻には相続権がなく、このままだと相続できないことを知りました。内縁関係の妻には、生活面で色々と支えられていて、とても感謝しているため、財産を残したいと思っております。どのような遺言書を作成すれば内縁の妻にも財産を残すことができるのでしょうか。(京都)
A:内縁関係にある奥様と息子様が不服のないよう遺言書を作成することをお勧めします。
ご相談者様のおっしゃる通り、生前に何も対策をしなければ、内縁関係にある奥様には相続権がなく、推定相続人である息子様が財産を相続することになります。しかしながら、遺言書を作成すれば、相続人ではない方にも遺贈という形式で財産を残すことができます。
遺言書を作成する際は、公正証書遺言で作成することをお勧めします。公正証書遺言とは、公証役場で公正証書により作成する遺言書で、原本を公証役場で保管してもらえることができ、紛失の心配がありません。また、公証人が遺言の内容を本人から聞き取って作成するので、自筆証書遺言よりも確実な遺言書を遺すことができます。
さらに、その遺言の内容を確実に執り行うためにも、遺言執行者を指定しておくと良いでしょう。遺言執行者とは、相続が発生した時に、遺言の内容通りに財産分割についての手続きを法的に進める権限をもつ方で、相続手続きの際に内縁関係にある奥様が困らないために必要になります。
また、遺留分について配慮した内容にすることが必要です。法定相続人である息子様には相続財産の一定割合に関して受け取れるように法律で定められており、この取得分の割合のことを遺留分といいます。例えば、内縁関係にある奥様に全財産を遺贈するという内容の遺言を残すと、息子様の遺留分を侵害していることになってしまい、息子様が内縁関係の奥様に自分の遺留分侵害額を請求し、裁判沙汰になってしまう可能性もあります。万が一の場合に、内縁関係にある奥様と息子様が揉める事の無いように、両者が納得できる内容で遺言書を作成すると良いでしょう。
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